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35話 斬首への反対と、ユウヤが下した厳罰

Penulis: みみっく
last update Terakhir Diperbarui: 2025-10-20 06:00:11

「なんの御用かしら?」

 ミリアが、あくまで上から目線で尋ねる。その声は、一瞬にして部屋の空気を張り詰めさせた。国王の顔に、さらに緊張の色が走る。当然、七つの王国を支配下におく帝国の皇帝が溺愛する第一皇女のミリアを怒らせればただでは済まない。

 そして今回の件は、その皇女殿下を王国内の貴族が襲撃を企て、実行に移し襲撃をしてしまったのだ。国王は、事態の深刻さに、喉の奥が張り付くような感覚を覚えていた。

「その……我が王国のバカ貴族が、とんでもない無礼を行い申し訳ないです」

 国王は顔を青ざめさせ、冷や汗を滲ませながら謝罪した。その声は、震えている。ミリアは、ユウヤの腕に抱きつき顔を上げ国王に聞いた。

「それで、どうなさるおつもりですの?」

 ミリアに青く透き通った瞳で見つめられ、顔をこわばらせながら国王が答えた。

「即刻、斬首を考えておりますが……刑を執行する確認と許可を頂きに参りました」

「そうですか。それで良いんじゃないのかしら」

 機嫌の良かったミリアが、興味なさそうに国王に返事を返した。だが、俺は納得ができなくて反対意見を出した。斬首では、あいつには生ぬるい。

「ミリアを襲ったんだよ?そんな簡単にラクに死なせたくないな……。子爵家の爵位の剥奪、財産の没収で平民への格下げ。盗賊と護衛は斬首でも良いけどね。それと空いた爵位と領地に下級貴族のレニアを入れてあげてくれる?王国の為に店で頑張って働いてくれてるし」

 俺の言葉に、ミリアは頬を膨らませ、露骨に不満そうな表情を浮かべた。その青い瞳に、小さな嫉妬の炎が揺らめいている。腕に絡ませた指先に、微かな力が込められた。

「もぉ! 何でですの? 下級貴族の娘ばかりをご贔屓にしてますわね!」

 あからさまに不機嫌そうになったミリアに、国王とお付きの表情はみるみる青褪めて怯えていた。彼らの顔からは、血の気が引いている。そんな国王たちを無視をして、俺はミリアに向かって返事を返した。

「頑張っている者には褒美を、害する者には貴族であれ厳罰を与えられるって分かりやすくて良いんじゃない?レニアは目に見えて頑張ってくれているし」

「はい。仰せの通りに……」

 国王は、俺の言葉にすぐさま同意した。彼の額には、安堵の汗が滲んでいる。まるで、重い荷を下ろしたかのような表情だ。

「ミリアは、信頼が出来る仲間を作っておいた方が良いって理解してくれないの?」

「ですが……ユウヤ様は男性の仲間は、いらっしゃらないでは無いですかぁ~。ふんっ」

 ミリアが不満そうだが、俺に反撃ができて少し嬉しそうな表情で言ってきて、そっぽを向いた。その横顔には、幼い嫉妬心がにじんでいる。拗ねたような口元が、可愛らしい。

「え?居るよ?少ないけどね」

 俺が即答すると、ミリアは驚いた顔をして考える様子になった。眉をひそめ、首を傾げている。分からないのか、俺に聞いてきた。

「はい?えっと……どちらにいらっしゃるのですか?わたしの知っている方ですか?」

 ミリアが誰だか分からず、俺をじっと見つめていたので……ついニヤっと笑い答えた。

「王城にミリアム王子がいるじゃん」

 そう言うと、ミリアは俯いて何も言い返して来なくなった。その肩が、小さく震えているのが見て取れる。けれど別に、下級貴族のレニアのことが好きだとか下心がある訳じゃなく、頑張って働いてくれているし誠実そうで、ミリアの仲間というか味方を作っておいた方が良いと思う。俺はミリアの仲間が女性で安心して見てられるし。

「ううぅ……」

 ミリアの喉から、小さな唸り声が漏れる。嫉妬の感情が、彼女の心の中で渦巻いているのがわかる。

「息子を、その様に思って頂き感謝致します」

 国王は、息子の名前が出てきて驚いた表情をして嬉しそうに感謝をしてきた。その目には、父親としての喜びが宿っている。安堵と感謝が入り混じった表情だ。

「お話を戻しますが……危険な者を平民に落として開放されて大丈夫なのでしょうか?」

 王様のお付きのお偉いさんが、緊張した面持ちで話を軌道修正してくれて、疑問点を質問をしてきた。その声には、王国への忠誠心がにじんでいる。彼の視線は、俺の表情を探るように向けられていた。

「爵位も無くなって権力をなくし、お金も没収されて……バカで人望も無い人に誰が手を貸すの?繋がりがあったとしても、他国の王族と皇女殿下が自国に来ているところを襲った大罪人と付き合うと思う?」

 俺は冷静に、そして論理的に反論した。

「それでも危険だと思いますが……」

 お付きの貴族は、まだ納得しきれないようだ。彼の眉間の皺が、深く刻まれている。その表情は、不安でいっぱいだ。

「じゃあ何が出来ると思う?」

 地位や権力にお金が無くても人望と知略があれば危険だと思うけど……あのバカ貴族には何もないと思うけど?

「毒殺や殺される覚悟で襲ってきたりですかね……」

 お付きの貴族は、しぼり出すように答えた。その声は、どこか弱々しい。

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